もううんざり、介護書類はゴミの山

 呆けで要介護3だった叔母がさらに脳梗塞と骨折で状態悪化になった。
状態が変われば、対応可能な介護業者も入れ替わるし、レンタル品も入れ替わる。
物理的に必要な交代が発生することは致し方ない。
だがそのたびに書類を代筆させられる方はたまったものではない。
在宅介護の場合、少なくとも訪問介護、訪問看護、デイケア、レンタルで4社は入る。
訪問介護はバッドウィル・コムスン事件以来、リスク分散のため複数業者を入れるのが常識になった。
その数社について、それぞれ4種類ほどの契約書類が発生する。
例えばこんなやつだ。
介護書類=ゴミの山の見本
念のため白抜きにした位置には、それぞれ契約者、代理人(家族代表)の署名捺印が入る。
印字部分には、到底読む気がしない細かいこと、重複した内容がびっしり書いてある。
呆けたよぼよぼの老人なら尚更読むわけがない。
写真のサンプルは最もかさばらないタイプである。
業者によっては、一部の書類が厚さ5ミリほどの袋とじになっており、割り印まで求める。
かさは多くても内容は何処の業者も大差ない。
おそらく、介護業者の種別によって細々と法律やら通達で内容を決められているのだろう。
だったら、初めからその通達なりを役所の窓口やホームページに掲示し、書類には一言タイプ名でも入れれば済む。
例えば鉄道の運送約款などはちゃんとそれで契約として成り立っている。
切符がいちいち分厚い冊子になるなんて事はない。
現状の書類はよぼよぼの老人が老眼で読むようには出来ていない。
ただ役人が「ちゃんと監督している」という言い訳を出来るようにするためだけに書類がある。
全く紙と労力の無駄である。
不動産売買でもあるまいに、高々月額数万円の契約、少ないものは数千円の契約でいちいちこんな書類を作っている。
少子高齢化でタダでさえ介護保険財政は逼迫し、介護労働者の人件費が足りないというのに、事務コストをかけすぎだ。
写真のサンプルはかさばらないのは良いがカーボン式だ。
これは筆圧がかけられないよぼよぼの老人が自力で記入できない。
住所の記入も余計だ。
あらかじめ介護保険証を提示して申し込むのだから、住所は判っているのだ。
署名と捺印の一方さえあれば、法的に契約書として有効なのだから余計な労力をかけさせるべきでない。
さらにおかしいのは、「家族」がいないといけない書式になっていることだ。
独り暮らしの利用はお断りだということか?。
まさかそんなことは無かろうから、おそらくケアマネが適当に埋めているのだろう。
これは厳密には違法だが、初めからケアマネが全部代筆できる制度にしない方が間違っている。
そして、整理の出来ない独り暮らし要介護老人宅は必ずこんな書類の山でゴミ屋敷になっている。
介護保険の事務簡素化は絶対に必要だ。

続く

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