世帯って  世帯とは何か
 戸籍住民登録って、「なんでこんな2重帳簿みたいな制度があるの?」と不思議に思うことがあります。
外国には戸籍制度なんて無いところもあるのになんでまた複雑な仕組みになったのでしょう?。
親の世代に聞いてみると昔(大日本帝国時代)は住民登録が無くて戸籍しかなかったようです。
つまり、敗戦によって戸籍制度が「家」単位から欧米流の「夫婦」単位に代わった際に、GHQの目が届かない地方自治制度を利用して「家」制度を残そうとした裏技だったのではないかと想像できます。
つまり元の「家」が世帯に、戸主が世帯主に化けた訳です。
 裏技によって生まれた制度だけに、色々な裏技が存在します。

 その1 同居の親とは世帯を分けるべし
 世帯は、デフォルトの状態では戦前の「家」とほぼ同じ状態になります。
子供が生まれたら自動的に親の世帯に入り、成人しても同居中は放っておけばそのままです。
しかし、旧戸籍と異なりかなり自由に分離や併合が出来ます。
例えば、親子は同居していても別世帯にしたいと思えば可能なのです(夫婦は同居で自動的に同世帯となる)。
物理的に2世帯住宅を建てる必要はありません。住民台帳の届け出だけで済みます。
この、親子間の世帯分離が人によってはメリットが大きいのです。
私は計画的に世帯を分けたのでなく、仕事の都合で親と別々に引っ越したのと、住宅ローンの関係で自分が世帯主だと有利なことがあり、合流後も別世帯のままとしただけでした。こんなに有利なのかと後から気付いたのです。
世帯を分離したからといって、「親族間の扶養義務」が無くなることはありませんし、個人所得税の扶養控除は扶養の実態があれば(同居で一方が課税され他方が非課税なら自明)使えます。
だったら意味無いじゃん?。と思うのは早計です。
国民健康保険や介護保険の保険料及び高額医療費支給の自己負担限度、その他自治体が行う福祉サービスの利用条件には「本人だけが非課税」と「世帯全員が非課税」で差を付けるのが一般的なのです。
 例えば、親が国民年金しか所得が無ければ税金は取られません。したがって、世帯が分離されていれば親世帯は「世帯全員が非課税」となり保険料などのランクが低くなります。
逆に、世帯が一緒で子が人頭割だけでも課税されていれば「課税世帯の非課税者」となるため総所得は同じなのに保険料のランクが上がってしまいます。
 世帯分離などというと親を捨てるようなイメージが浮かびますが、逆に老親が少ない年金から取られる保険料を減らし親孝行が出来るのでした。

 その2 別姓婚がしたければ、とりあえず世帯編入で
 その1は世帯を分ける話ですが、今度は逆にくっつける裏技です。
”選択的別姓法”は数年前に国会に提案されながら、たなざらしのまま廃案になりました。
職業によっては、姓名が変わると多くの不都合があります。このため入籍せず事実婚という人は今も増え続けているでしょう。
入籍に比べれば法的効力は乏しいですが、単なる同棲と異なり一応公的証明が取れる方法に世帯編入という手法があります。
世帯の構成員は、戸籍上の親族である必要はありません。単に市区町村役場に”一緒に暮らしてます”と届けた集団が世帯なのです。
最近は(戸籍上)未婚の男女が同一世帯になる場合、”続柄・妻(未届け)/続柄・夫(未届け)”という記載が出来るようになっています。
一方が無職の場合、その1の逆で経済的に不利になることがありますが、相手が勤め人なら健保・年金の「3号被保険者」は内縁でも認められるので実害がないケースも多いでしょう。
なお、同性婚で同様のことをしようとしても”続柄・同居人”としかできませんし、3号被保険者とするのも不可能です。
したがって気分を採るか、お金を取るかという問題になります。

世帯とは
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おまけの雑談:小学生の時、耳で「フヨウカゾク」と聞いて「不要家族」だと思っていました
お金を稼がない奴は不要だと、法律用語ってストレートですっきりしたものだと感動した記憶がry。
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